川喜田二郎[1967]『発想法―創造性開発のために』 (中公新書 (136))
川喜田二郎[1970]『続・発想法』(中公新書 (210))
たまにKJ法を使うことも出てきたので『発想法』を読み返してみた。『続・発想法』は始めて読む。
パースのアブダクションという概念をこれほどフィーチャーしていた本だということについてはすっかり忘れていたというか、たぶん読んだときにはアブダクションの概念についてよく知らずに読み飛ばしていたのだろう。
パースやアリストテレスを引いて、可謬的な思考方法が、参画型の民主主義を作るという信念と情念(!)を訴えている。
情念型の本だというのが、今回読んだ印象だ。
梅棹忠夫の知的生産の技術もそうだが、60年代後半の京都方面で作られた本は、読みやすさと、しかし、大それた相手に果敢に向かう蛮勇と、ある種の徒党を組んで闘っているという・・独特な感じが入り混じっている印象がある。
視覚化のA型と、文章化(または口頭化)のB型の組合せが重要で、決して視覚的な整理術に留まるものではないのだということを言っている。
また、累積KJ法と呼ぶ、できあがっている構造図をさらに進化させる手法についても紹介していた。
確かにこうした話は通り一遍で本で読むだけでなく体験して、体系的に学ばないとわからないだろうとも思う。