中西紹一、松田 朋春、紫牟田伸子、宮脇靖典[2006]『ワークショップ 偶然をデザインする技術』(宣伝会議)
「機会が能力より重要な意味を持ち、核心になるのは競争ではなく偶然」という木村資生の進化の中立説を使って、弱肉強食の進化論へのアンチテーゼとしてのワークショップの価値を強調している。競争の強化よりも、拘束条件を緩和して、(中立的な)進化が起こりやすい状況を作り出すことが重要と。
まあ、しかし、拘束するのが仕事の人たち(つまり、創造を仕事とせず、創造するものたちを指導・監督するという名目で拘束する人たち)が、自らの存在を否定するかのような行動はとらないのが「合理的」である。そこをどう越えるかとか、どう戦うかという話はあまりなかった。決まった答えはないのだろうけれど。
それでも、興味深い話題はたくさんでてきていて、例えば、スターバックスの経営理念「(家庭と職場と異なる)サードプレイスの提供」というのは有名なもののようだけれど、わたしは知らなかったので勉強になった。