御厨貴[2002]『オーラル・ヒストリー―現代史のための口述記録』(中公新書)
オーラル・ヒストリーの価値と方法について、経験を踏まえて書かれた本。
オーラルなとりまとめをいつもされているあってか、とても読みやすい。
わたしが、シンクタンクにいたとき、入社してしばらくはアンケート調査などの定量調査がもっぱらだったのが、ある段階からインタビュー調査の比率が高くなった。
インタビューのノウハウについていくつか教えてもらいながら、ほとんど手探りでやっていったが、インタビュー調査ならではの面白さがあるように思う。
質問項目を用意するなどの準備することの大切さもさることながら、一番最初に、インタビューの相手との関係を構築しなければならない。
このあたりの技術論・方法論についても、親切に紹介されてある。
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ちなみに、わたしが調停の研究にのめりこんだきっかけになった、2003年の北米調査の報告書とインタビューの資料は公開されています。
http://www.adr.gr.jp/training2003/
の、「海外動向報告書」。
不勉強な状況下で書いた不完全なものですが。
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また、公民権法から隣人調停につながった歴史についてのオーラル・ヒストリーのサイトがあり、興味深いです。(英語)
http://www.civilrightsmediation.org/
日本で今起きている司法制度改革のオーラル・ヒストリーもまとめておくと意味があるだろうなと思う。